
ビル・グロースさえクビを切る、結果にシビアなヘッジファンド
債権王ビル・グロースは過去の呼び名
1993年のポンドの歴史的空売り、1997年のアジア通貨危機で知られるジョージ・ソロス氏は、かつて「債券王」と呼ばれたビル・グロース氏の腕を買って約5億ドル(約600億円)の運用を任せたが、1年もたたないうちにこの資金を引き揚げた。
グロース氏は、2015年の4月末頃に10年物のドイツ国債の利回りが0.1%に達したとき、
「10年物のドイツ国債は一生の一度の売り場だ。1993年のポンド以上だろう」
という予想を見事的中させたが、グロース氏はポジションを取り損ねて、自身の運用成績は年初からマイナスリターンとなっていた。(グロース氏の発言直後にドイツ国債の利回りは1%に急上昇した。本人も相当悔しかっただろう)
5億ドルの資金引き揚げでクビ宣告
グロース氏は昨年、新会社である資産運用会社ジャナス・キャピタル・グループへ移籍したばかりだが、今回のソロス氏による資金引き揚げは5億ドルにものぼると言われており、まさに踏んだり蹴ったりといったところだ。
かつては、同じヘッジファンド業界で腕を振るっていたソロス氏だけに同業の腕利きトレーダーに対する評価は、シビアなものだ。
海外のヘッジファンドに資金を預けるには?
ジョージ・ソロスは実質引退済み!?
ここまでシビアに運用するソロス氏のファンドに誰もが資金を預けたいと思うだろうが、ソロス氏は2008年のリーマンショック以降、米国証券取引委員会がファンドの規制を強化した影響で、相場を引退しており、いま現在はごく親しい身内の資金しか運用していない。
金融資産1億円以上の富裕層にだけ開かれた門戸
しかし、ソロス氏のファンドに預けるのは無理でも、海外の運用成績の良いヘッジファンドに預けることは可能だろうか?
もしも、あなたが1億円以上の資産を持っていたとしたら、彼らの顧客リストに載る可能性もあるが、日本国内では、金融庁による金融取引法の規制で「第3者が日本で登録されていない金融商品を日本国内に紹介してはいけない」というルールに引っかかってしまうため、日本国内に代理店は存在しない。つまり、直接海外に出向いて彼らと契約をする必要がある。おまけに優良ファンドは、FA(ファイナンシャルアドバイザー)による紹介制をとっている所も多いので、簡単ではないだろう。超富裕層向けのファンドなどは、あまり情報が表に出てこないため、インターネットで検索するのも一苦労だ。
世界のヘッジファンドはここで探せ!
しかし、方法がないわけではない。調べてみたところ、2011年にみずほ銀行の子会社となった、シンガポールのユーリカヘッジというヘッジファンド調査会社に登録をすると、世界中のヘッジファンドの運用成績を見ることができる。(有料)
ここの情報を閲覧し、運用成績のよいファンドを見つければ、直接連絡をとってみることもできる。あなたが彼らの設定する顧客条件をクリアすれば、あなたの資金は市場で千万の味方を得たのと同じ効果を発揮するだろう。
海外のヘッジファンドは、元本保証もないかわりに、ハイリスクハイリターンを文字通り実行しており、日本の証券会社の投資信託の利回りでは見たことがないようなハイリターン率を記録しているファンドも存在している。
サイト運営からコメント
個人でヘッジファンドを調べて契約し、資産を運用を任せるのは現実的ではない。
金融資産1億円以上であれば、プライベートバンクが利用可能となるため、まずは大手証券や大手銀行のプライベートバンク部門のリレーションシップマネージャーに相談する事から始めるのが良いだろう。
またシンガポールなどキャピタルゲインに税金のかかってこない国で運用したいという事であれば、海外で活躍する日本人リレーションシップマネージャーを紹介することもできる。
リレーションシップマネージャーの紹介条件は、最低金融資産1億以上とするのが一般的だ。
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